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第72回 会社拝見 ③ ~オリジン電気株式会社~ その3
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第72回 会社拝見 ③ ~オリジン電気株式会社~ その3
「8.沿線の変電所はいらなくなる
これはどういう意味を持っているか。
たとえば、現在、日本では国鉄の電車が千五百ボルトの直流で、
トロリー線が二万ボルトの直流で運転されている。
ところが、もし整流器が小型化すると、
もはや金のかかる変電所をあちこちにつくる必要はなくなり、
電気機関車の中に変圧器と整流器を積んで、
交流電化をして走ることができるようになるのである。
だから、整流器の需要はこの三年のうちに
十二倍くらいになるだろうと見込まれている。
なかでも、電電公社の大拡張計画により
整流器の発注は年五割の伸びを示している。
専業整流器メーカーには当社と新電元と未公開の東邦産研があり、
その受注比率は四三、四ニ、十五とオリジンが首位を占め、
電電公社への納品が当社の売上げの約三十%を占めている点から見ても、
今後の売上増加は保障されていると言ってよい。
また当社は理化学研究所のスポット溶接機を五年前から企業化に移し、
これが半期に百四、五十台は売れるようになった。
一台七十万円平均だから、
業績的には一億円くらい寄与する。
この溶接機は従来、溶接困難と言われたビニール鋼板をも
瞬間的に溶接するように現在は改良されているから、
今後はひろく使われるようになるであろう.
9.年成長率四四%
このほか、電気機器や冷蔵庫などの塗装に使う合成樹脂塗料も、
NHKなどのように納入品の塗料にオリジン塗料を指定しているところがあって、
半期に五千万円くらいは売れている。
最近数期における当社の売上高の推移は別表のとおり。
(百万円)
売上高、利益、同率、配当
33・9 364、21、36,12
34・3 400、23、35,12
34・9 541、30、45,12
35・3 636、40、61,15
35・9 771、51、52,15
九月期は期中に倍額増資をしたが、
三月期の決算に増配をあわせて断行したぐらいだから、
もとより配当金の心配をするような段階にはない。
今後の業績については、半期ごとに平均二0%の伸びを予想しているから、
一年間の成長率は四四%、池田内閣の九%をはるかに上回るものである。
この程度の成長は、国内需要の拡大だけで十分実現できる見込みだが、
整流体のアメリカ向け輸出が調印の段階にきており、
またインドに対する技術輸出もすでに開始されており、
さらにスポット溶接機もヨーロッパに輸出する交渉に入っている。
「これからは輸出で大いにのびますよ」
と言うのもあながち誇張ではない。
もし、それが業績に寄与するようになると、現在、高い建物をこわして
三倍の能力のある新工場を建設中(本年三月に完成予定)だが、
完成したあかつきにはもはや手狭まになっているという事態に
ならないともかぎらない。
9.年成長率四四%
こうした業績の急膨張を反映して、今年は株価が暴騰を演じ、
増資後、数ヶ月で早くも二千五百円台にあがってしまった。
倍額増資後だから、逆算すると四千五百円であり
短期間に実に四・五倍に値上がりしたことになる。
二千五百円と言うと、たいへん割高にきこえるが、
五百円額面だから、五十円株とすれば二百五十円である。
五百円券の売買は百株単位だから、
五十円の株を千株買ったのと同じである。
しかし、五百円額面だと、心理的な買いにくさもあるし、
株屋さんも手数料が安くて熱心に客にすすめないから、
どうしても人気的に割負けする。
そこで、オリジン電気は戦後、
いったん五十円額面から五百円額面になおしたのを
また五十円額面にもどすことになり、
この十月二十八日の株式総会で議決をすることになっている。
川崎化成が額面を五百円から五十円になおしただけで、
千二、三百円の株価が一割無償付で
三百四十円(三千七百三十円)になった前例もあることだし、
オリジンのような過小資本で成長性のある会社が、
ごく短期間にすんなり三千円になることは十分予想されることである。
川崎化成が日本触媒と常に比較されるように、
オリジンもよく新電元と比較されるが、製品の伸びかたから見ると、
オリジンは決して新電元より下ではない。
ことに来年春になると資金関係から見て、
ふたたび倍額増資とくることは間違いないし、
整流器産業の将来がどういうものかもっと一般に知られるようになれば、
株の新聞がはやすような四百円台が全くのお笑いだとは言えないのである。
高値で売り逃げるよりも、
じっと温めている方が大きく報いられる性質の株である。
これまで「会社拝見」から、順次、山武ハネウエル計器株式会社、三井不動産株式会社、
オリジン電気株式会社の三社を紹介して来ましたが、
いずれも資金需要が旺盛で、増資がクローズアップされてきました。
今回のオリジン電機もご多分に漏れず、その中の一社でした。
なにしろ年成長率が44%そうですから、投資家の認知度が高まれば、
大いに伸びていった企業だったと思います。
逆に考えると、いち早くこの企業の成長性に気付き、早く投資した人が
一番儲けたと言えるかも知れません。
今、海の向うの中国では、2006年度の決算発表が続いています。
その中には、ご承知のように、1株を5株にする40割無償をした会社がありました。
これにはびっくりしました。
1954年生れ。52歳。
九州の高校を卒業して
すぐ某建設機械メーカーに入社。
それ以降、現在に至る。
サラリーマン生活のかたわら投資活動を実施。
貧乏旅行を好む。
■虹原太助へのメールはこちらまで → nizihara2000@yahoo.co.jp
執筆者:虹原太助(2007年05月06日)








