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第101回 カラカラ浴場でローマ人気分

真実の口からほど近いところにありながら
あまり人の訪れない観光名所。
それはカラカラ浴場(Terme di Caracalla)。

古代ローマ帝国が最盛期を迎えていた時
老いも若きも、貧富に関わらず
格安の料金で入浴できたという、
ローマの人々の社交場だ。

どの遺跡にも言えることだが
カラカラ浴場はできてから2000年近い
時代を経ているため、いくら
説明書きと照らし合わせてみても
そこがかつてどんな形をしていたのか
もうあまりわからない。

だったら想像してみよう。
床に残されたモザイクをジッと眺め、
空を仰いで、柱から想像できる
屋根の形を考える。
まるでCGを使って再現するように、
建物を頭の中で組み立てていく。


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床のモザイク


トレーニングルームで汗を流し、
大理石やモザイクで彩られた床を踏みしめ、
浴室へ向かう。
十分すぎるほど高いドーム状の天井でも
湯気の熱気と人いきれでむせかえる。

浴場には温度の違う巨大な三つの浴槽。
温かい床の上に座って、金属製の
あかすり棒で汚れを落としていく。
時々背中に視線を感じるのは、
あちこちに飾られた、豪華な絵画や彫刻が、
あまりにリアルすぎるからだ。

何度か温浴と冷浴を繰り返し、
皆、血色のいい顔になっている。

裕福な人は、石鹸で体を洗い、奴隷に
体をこすってもらった後、
マッサージ室で仕上げだ。

マッサージ室から漂ってくる香油のいい香りに、
部屋の前を、自然と何度も行ったりきたりしてしまう。
立ち止まって深呼吸していると、
おなかが減っていたことに気づく。

浴場内には、食べ物も酒も売っている。
ありとあらゆる人が、会話を楽しんでいる。
風呂から上がれば図書館で本も読める。
一日中いても飽きない社交場。

なんだ、結局2000年経っても
やっていることは変わっていないような。

カラカラ浴場に、想像の汗を流しに
行ってみませんか?

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カラカラ浴場の一部



(2006年06月14日)