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真実の口は、予想よりひっそりとしていた。
このあたりは、観光の中心地から
少しはずれているとはいえ、
あまりに有名すぎる、この口。
ひっきりなしに皆が口に手を突っ込んでいて
もしかしたら、私が見るときには
だらんと大口を開けてマヌケな顔になって
いるンじゃないかって、心配していたのに。
実際は、訪問者が絶えることはないものの、
観光客の皆さんは、きちんと列を作って
口に手を入れてポージングするのを
順番に待っている。
しかも、写真を撮らない旅行者はいないから、
自然と後ろに並んでいる人に撮ってもらうはめに。
それが、暗黙のルールのようになって
何も言わなくても、後ろの人が
「O.K.」とカメラマンを買って出てくれる。
よし、例のアレ、やるぞ!と思って並んでいた矢先、
前のカップルの男性が、
グレゴリー・ペック顔負けの名演技!
「ア゛、ア゛~~~~~~~~ッ」
隣のアン王女は大笑い。
後ろに並ぶ観光客もどっと笑った。
とたんに萎縮してしまった私の勇気・・・。
結局、大和撫子的控えめなポーズに
はにかみ笑いで、写真に納まった。
あーっ、やってみたかったな。グレゴリー。

気持ちはグレゴリー/真実の口(La Bocca della Verita`)
(2006年06月13日)