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おはようございます、ホンコンスターオ-です。
戸田ゼミの掲示板で紹介されていた本書を読んでみました。
巻末の筆者紹介によると作者の本田善彦氏は
1991年以降台北に在住されている
フリーのジャーナリストだそうです。
この本には
普段目にしない人名や出来事が凝縮されています。
その意味では一気に読破するような本ではなく、
頭の中で本に書かれている事実と事実、
自分の持ち合わせている知識を総動員して
再構築したり、知識の隙間を埋めたりしながら
読み進めていく本だと思います。
本書では台湾と大陸の間で繋がっている人間関係に
スポットライトが当てられていて
今までとは違った視野を与えてくれます。
そう言う意味で
中国で活躍している方、
チャイナウォッチャー、
中国に関心のある人にとっては
中国を理解するうえで一助となる1冊ではないかと思います。
例えば、
本書を読むまでもなく、
中国にとって台湾問題は最重要課題なのですが、
日中国交正常化のスタッフが台湾出身者であったり
台湾独立を標榜する台湾のある政治家が
6代前の祖先の故郷だとして福建省を訪れていたり、
中華民国の現総統の陳扁水総統が野党時代に
北京を訪れていた事実も紹介されています。
前中華民国総統の李登輝氏が若い頃共産党に2回入党2回離党の
経歴があると言う話があるのもはじめて知りました。
台湾海峡を挟んで中共と国民党は対峙しているが
人間関係は繋がっているのだと目を開かされた思いがしました。
それならば大陸と台湾は一気に一体化への道を進むのか?
と言うとそう簡単に事が運ぶわけでもない。
感情的なしこりが残っているからです。
ロサンゼルスで公演した台湾出身の元周恩来首相通訳に
台湾在住の山東省出身者が、台湾居住期間が長いことを理由に
“私は台湾人だがあなたは違う“と言う趣旨で誹謗します。
その通訳は
“私は8代前から台湾に住み着いているが、あなたは1代ではないか。”
と反論したエピソードも紹介されています。
不毛な遣り取りですが、
こういうところから相手と話をしなければならないのは大変です。
感情的なシコリをほぐすには
“時間”と言う薬が唯一の特効薬なのかもしれません。
このほか、本書では
日中国交正常化交渉の舞台裏や
日華国交断絶の経緯について関係者の証言を基に再現したり
中華人民共和国成立当時の台湾人の揺れ動く感情、
崇高な理想を掲げる中共に共鳴し情熱に突き動かされて大陸に“帰国”するか、
口先だけは立派なことを言うがやることは残虐な中共よりも国民党のほうがまだましだ、と考えて台湾に残るか、
それとも華僑として日本やその他の国に活路を求めるか。
当事者でないと知りえない色々な機微にも触れています。
中国と台湾の関係は微妙な問題が絡みますので
あとはご自分でお考えいただけたらと思います。
ご興味のある方はまずはご一読ください。
日本経済新聞社刊 定価(本体2400円+税)です。
“ご足労ですが書店までひとっぱしり・・・。“
懸賞じゃないですからこのフレーズはお呼びじゃないですね。
(2006年12月26日)