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|第119回 阿波の民話 狸の話 その2|
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おはようございます、ホンコンスターオーです。
徳島のお菓子に金長まんじゅうというのがあります。
金長という名前のいい狸と六右衛門という悪い狸が
それぞれ狸の家来を引き連れて合戦をする。
という民話にちなんだお土産用の和菓子です。
それだけ徳島には狸が多かったのでしょう、
さて、昨晩は中秋節でした。
中秋の名月特集、今日も徳島に伝わる狸のお話をご紹介しようと思います。
これも江戸時代のお話です。
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十五夜の晩のことでした。
部屋の雨戸をトントン、トントンと叩く音がします。
一体誰だろう、こんなに夜遅く。
眠たい目をこすりながら、
おじいさんが雨戸を開けると
狸が庭でかしこまって 土下座しているではありませんか。
「何じゃこんな夜更けに、狸じゃないか。いたずらばっかりしよって。」
「お騒がせしてすいません、近所に住む狸でございます。
実は今晩十五夜なので、日柄も良く、婚礼を挙げようと思ったのですが、
あいにくと晴れ着を持っておりません。
どうか羽織と袴をお貸し頂けないでしょうか。」
「ほかの事ならいざ知らず、婚礼ならめでたいではないか、
使ったら返してくれたらエエ。持って行け。」
と言っておじいさんはタンスから羽織と袴を出して狸に貸し与えてやりました。
夜が明けて次の日の朝になりました、
(よくよく考えてみたら、
狸が羽織、袴をはいて婚礼を挙げるなんてこと、ありえないし
日柄を気にするわけなんてないもんな。
きっと、夢でも見たに違いない。)
おじいさんは布団の中で前の晩の事を思い出しながら
うつらうつらしていました。
先に起きていた
おばあさんがタンスを開けて声を挙げています。
「あら、いやだわ、羽織と袴に枯葉がいっぱいくっついてる。」
ゆうべの狸が婚礼を挙げた後に
おじいさんとの約束通りタンスに戻しておいたのでしょう。
人と狸の距離も近かった頃のお話でした。
(2006年10月07日)