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第37回 天下に回したくないお金

おはようございます、ホンコンスターオーです。

私は、子供ころ、妙な癖があって、
大人達から見たらつまらないものでも
本人が宝物だと思ったら
集めてしまう癖がありました。

石ころであったり、それも白だけ集める
おはじきであったり、
磁石であったり、
牛乳瓶のふたであったり、
苔であったり、

飽きてしまうと
すべからくゴミになる運命でしたが
集めているときは真剣そのものです。

切手やベルマーク、仮面ライダーカード
なんかも集めた事がありましたね。

さて、香港に来て面白いものを見つけてしまったのです。
それはお金です。

香港には3種類のお金が流通しています、
香港上海銀行が発行しているライオン柄の紙幣
スタンダード・チャータード銀行が発行している霊獣柄の紙幣
中国銀行が発行している建物柄の紙幣

これらの中で私の興味を引いたのがスタンダード・チャータード銀行の紙幣でした。
旧10ドル札・・・鯉が龍に変身しているところ(緑)
20ドル札・・・同じく鯉が龍に変身しているところ(青)
50ドル札・・・カメ
100ドル札・・・麒麟(首の長い動物ではない。キリンビールの柄になっている麒麟)
500ドル札・・・鳳凰
1000ドル札・・・龍

何となくパワーが宿っていそうで、
手元に置いてしまっているのです。

買い物をするときに使うお金の順番が決まっています、
中国銀行発行のお札、
香港上海銀行のお札、
どうしても、手放さなければならないときになって初めて
スタンダード・チャータード銀行のお札を使います

あるときにATMでお金を降ろしたら
全部スタンード・チャータード銀行の霊獣柄のお札が出てきたときがありました、

その月は大変でした。
霊獣のお札を手放したくないものですから、
毎日自炊、下手な料理を作って
何とか最小限の出費で乗り切りました。

要はやれば出来るということですが、
私にとっては
霊獣柄のお札が
モチベーションだったりするわけです。

スタンダード・チャータード銀行のお札だけは
お菓子が入っていた
長細いシッカリした箱に保存しています。

香港の人は3種類のお札についてどう思っているのだろう?
素朴な疑問が湧きあがりました。

風水を気に掛けているぐらいだから
きっと、霊獣のお札を集めているに違いない、
とニランで、日本語の出来る総務の女性に聞いてみた。

「スタンダード・チャータード銀行が出している紙幣って柄が霊獣になってるから
きっと、パワーがあるんだよねぇ、
ボクはなるべく集めるようにしてるけど、
香港人もみんな集めてるんじゃないの?」

「えぇ?みんな同じでしょう?
香港上海銀行のお金もスタンダード・チャータード銀行のお金も中国銀行のお金も、
10ドルは10ドルのモノしか買えないじゃないですか。
スタンダード・チャータード銀行の10ドルで10ドル以上のモノが買えると思ってるんですかぁ?」

と子供に言うような口調で諭(さと)された。
おっしゃる通り、どの銀行券でも10ドルは10ドル分しか買えません。

それでも、性懲り(しょうこり)もなく、私は
霊獣柄のお札を手にしたら
“ラッキー”
と思ってしまうし
手放すときは
“早く帰っておいで”
と心の中で語りかけながら人手に渡すのである。

“三つ子の魂百まで“とはこのことでしょうか。



(2006年03月30日)