上海とかかわりのあった知識人、文化人は多くいます。
文人では、谷崎潤一郎、芥川龍之介、金子光晴など。
谷崎は谷崎らしい耽美で優美な紀行文を、
芥川は小説の作風とはひと味違ったコミカルな紀行文を残しています。
紀行文を読むと、どちらも上海をとても気に入っていたことが伺えます。
意外なところでは、幕末の志士、高杉晋作。
幕末、鎖国の禁を解いた幕府は、対中国(当時は清)貿易の模索のため、
文久二年(1862年)、第一回遣清使節団を上海へ派遣しました。
長州藩士の身分を隠して、高杉晋作は使節団の船に乗り込みました。
上海で高杉晋作の見たものは、大国の清が欧米列強に踏みにじられていた姿でした。
この上海での体験を通して、彼は一層攘夷の考えを強くしたのです。
さて、皆さんはジャック・マイヨールという人をご存知でしょうか?
映画『グラン・ブルー』の主人公のモデルとなった人で、
素潜りで105mまで潜った世界記録を持つ人です。
海中105mの地点での水圧は地上の11倍にもなるため、通常なら肺が破裂してしまい、
人間が素の状態で到達するのは不可能とされていました。
なぜその不可能を、彼が可能にしたかというと、
彼自身が提唱している「ホモ・ドルフィナス」という生き方を身につけていたからです。
それはイルカから自然と調和する方法を学ぶ生き方のこと。
ジャック・マイヨールはイルカと接し、イルカを科学的に調査していく上で、
イルカから呼吸方法や泳ぎ方を学んだのです。
最近知って驚いたのですが、このジャック・マイヨールは上海生まれなのです。
1927年、上海のフランス租界で生まれた彼は、13歳まで中国で育ちました。
両親はフランス人で、ジャックが生まれた当時、父親は上海で建築士をしていたそうです。
水中で無心となることで、水と一体になるような呼吸を身につけることができたのは、、
ヨガや禅を学び、自分の生き方に東洋の神秘と叡智を多く取り入れたからこそなのです。
東洋の魔都、上海での少年時代は彼の人生を大きく変えたということでしょう。
ジャック・マイヨールの呼吸についての考え方は非常に神秘的です。
母の体内にいる赤ちゃんは、へその緒を通してお母さんから生命エネルギーをもらっている。
赤ちゃんが生まれるときへその緒は無くなりますが、
実はそのとき、新たなへその緒が生まれている。
それは呼吸という名前のへその緒。
我々は呼吸を通じて、母なる宇宙から生命エネルギーをもらって生き続けている。
というのがジャック・マイヨールの考え方です。
こうした考えや彼の生き方は世界中で共感を呼び、彼のファンは世界中にいるのです。
ジャック・マイヨールや高杉晋作に影響を与えたように、
上海が、きっと私にも良い影響を与えてくれるはすだと、私は信じています。
■チャイひめ
上海の魔物に心を奪われた女。小さな日系商社の雇われ総経理。
夢を叶えて中国(上海近郊の田舎町)在住。次の夢は上海の衡山路に住むこと。
05年7月上海セミナーで戸田ゼミ初参加。最近の趣味は精神世界について考えること。
■チャイひめさんへのメールはこちらまで:sh_chaihime@mail.goo.ne.jp
(2006年11月23日)