DVDで88年の大河ドラマ『武田信玄』を見ているチャイひめです。
昨日もドラマを見ていたところ、気になる言葉が出てきました。
50歳を迎えた信玄は、病に冒されはじめ、眠れぬ夜が続いていました。
その夜も、咳がとまらなくなった信玄は、
寝室前の廊下に控える若侍に、せんじ薬を頼もうとしましたが、
夜もふけ、寝ずの番をしているはずの若侍はカクカク船を漕いでいました。
その侍は学問好きの侍だったので、そばには本が置いてありました。
信玄がふと手にしたところ、その本は『荘子』でした。
頁をめくる信玄ですが、ある言葉が信玄の心をとらえました。
月を見上げて、感慨深い様子でつぶやきます。
「八千年の春、八千年の秋・・・」
意味が全く分からなかった私は、さっそくグーグルで検索してみました。
情報に乏しい海外生活では、インターネットが欠かせない情報源です。
信玄が読んだのは、「荘子 内篇・逍遥遊」中の以下の言葉です。
上古大椿なるもの有り、八千歳を以て春と為し、八千歳を以て秋と為す。
上古の伝説上の植物、大椿(だいちん)という植物は、
八千年を春とし、八千年を秋とし、三万二千年が人間の一年に相当する、と。
非常に長生きをする植物ですね。
後世、この一節から「椿寿」という言葉が生まれ、
人が長生きすること、長寿であること、の意となったとか。
椿は冬になっても落葉しない常緑樹。
生命力あふれる常緑樹に、古来より特別な意味を感じてきたのは
日本人も中国人も同じであったということでしょうか。
ちなみに神社にお供えする榊(さかき)はツバキ科の植物です。
さて、信玄に話しを戻すと、
その頃の信玄は、いがみあっていた長男を自害に追い込ませてしまい、
正室も亡くしたばかりの上に、自らも病の身で儚さを感じていたんですね。
そこへ、悠久の世界観を持つ荘子の言葉に触れて
感慨深いものがあった、ということだと思います。
生活を厳しく律する儒教(孔子の教え)とは違って、
道(タオ)を追求した荘子は、偉大なる空想家であり、
神秘主義の持ち主であり、その教えはおおらかな安らぎを与えるものだとか。
孔子、孟子、荀子、老荘思想など、
中国には優れた古典がたくさんありますが、
私は勉強不足で、あまり知らないのです。
せっかく中国に住んでいることでもあるし、
古典に触れて、古典からも中国を感じられたらいいなと思います。
■チャイひめ
上海の魔物に心を奪われた女。小さな日系商社の雇われ総経理。
夢を叶えて中国(上海近郊の田舎町)在住。次の夢は上海の衡山路に住むこと。
05年7月上海セミナーで戸田ゼミ初参加。最近の趣味は英語の勉強と丹田呼吸。
■チャイひめさんへのメールはこちらまで:sh_chaihime@mail.goo.ne.jp
(2006年10月31日)